朝方だった。
早朝働いていて、店に酔っ払いがきた。
この酔っ払いはどこをみてるかわからない。向いている方角にはなにもない。
そこにひたすら話しかけている。
人生について説いている。
だれもいないその空間に。
俺は、他のお客様のご迷惑になりますのでと注意する。
しかし、聞かない。
仕方がないので、警官を呼ぶ。
警官は酔っ払いを連れて行った。
平和が訪れる。
ゴミ箱のゴミ袋をかえに外に出る。
隣のなにもないスペースに佇んでいる。
その、酔っ払い。
そして、また来た。
デジャヴ。
ファンキー。
さすがに次は強めにでる。
俺は他のお客様のご迷惑になりますのでと語気を強めて注意する。
酔っ払いは「俺はお前の指図では生きていない」とのたまう。
生き様だなと思った。
不覚にもしびれた。
酔っ払いにならないように。
ミイラ取りがミイラにならないように。